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裁判の影響?旅割の取消手数料が無料になった話

前回、旅割75の取消手数料が55日前まで無料になったことについて書きました。

 

この記事を書くにあたり調べたところ、旅割の取消手数料が無料化したのは、裁判の影響なのではないか?というブログ記事をいくつも見つけました。

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ことの発端は2014年4月に佐賀県の弁護士さんがANAの旅割75を購入したことに始まります。 購入したのは搭乗日の75日前、しかし予定が変更になったために搭乗日の62日前に払い戻しをしたところ、 1万3290円の航空券に対して8190円の取消手数料を請求されました。

 

購入代金の61パーセントを超える高額の取消手数料は無効であるとして、この弁護士さんは裁判を起こしました。

詳しくは弁護士ドットコムをご覧下さい

 

この弁護士さんが「高すぎる」と訴えている法的根拠は消費者契約法9条1項です。

 

同法9条1項には 「消費者契約の解除に伴い、事業者に生じる平均的な損害額を超えた違約金は無効」とあります。 つまり購入した航空券の払い戻しによってANAに生ずる損害が、航空券代金の61パーセントを超えているならば取消手数料は有効、61パーセントを下回っていれば無効であるということになります。

 

この弁護士さんは「60日前のキャンセルならば、代わりの旅客を容易に確保できる」として、ANAに実質的に損害は生じないはずだ、と主張しているわけです。

 

この弁護士さんは佐賀県弁護士会の消費者委員会の委員長をしていて、佐賀大学でも講師として消費者法を教えているそうです。 その立場から、旅割75の高額な取消手数料は看過できないとして提訴に踏み切ったとのことです。

※注 2014年時点のプロフィール

 

そもそもキャンセル料に同意して購入したんじゃないの?

 

こういう声が聞こえてきそうですσ(^_^;

 

旅割75の購入手続きでは、払い戻しの手数料が高額であることを同意のうえで購入することになっています。 しかしこの弁護士さんは航空券を旅行代理店経由で購入したそうです。

 

携帯ショップやパソコンショップでよくある話ですが、高額な解約違約金の説明をきちんと行っていないお店はたくさんありますよね。 あくまで私の私見ですが、このケースでも旅行代理店が取消手数料についてきちんと説明し、合意のうえの販売であったのか怪しいような気がします。

 

弁護士だから訴訟とか出来るんでしょ?

 

こういう声も聞こえてきそうです。 弁護士がANAを訴えたということで、代理人を立てない本人訴訟なのかな?と思いましたが、 この弁護士さんは佐賀県弁護士会から12人の代理人を立てて訴訟に臨んだそうです。

 

8190円の取消手数料の無効を求める訴訟となると、まず少額訴訟が思い浮かぶと思います。 しかし例え代理人を立てない本人訴訟で、かつ費用の少ない少額訴訟だとしても、一万円程度は掛かると言われています。

 

まずコスト的に見合うものではないため、少なくとも目先の金銭を目的とした訴訟ではないと言えます。

 

裁判のその後、どうなった?

 

いきなり結果を書くと弁護士さん敗訴、ANA勝訴だそうです。 判決は2016年4月に確定。ただし弁護士さんは控訴していますので、未だ係争中と思われます。

http://www.saga-s.co.jp/sp/news/saga/10101/305627

 

訴えられた後にANAはどう変わったか

 

2016年に一審でANA勝訴、その後控訴したため係争中ではありますが、2016年10月30日搭乗分より旅割の取消手数料は55日前まで無料になりました。

 

この訴訟で弁護士さんが訴えたのは、60日前であれば取消手数料は無効にすべきという消費者の立場に立ったものです。 それに対してANAはさらに5日短い55日前まで無料にするというルール変更を行いました。

 

弁護士さんもANAもどちらも素晴らしいです! ANAくらいの巨大企業になると、消費者目線でキャンセル規約を見直すのはなかなか難しい部分もあると思います。 それに気づかせた弁護士さんも素晴らしいし、消費者の意見を汲み取ったルール変更に踏み切ったANAも素晴らしいと思います。

 

※注 ANAから訴訟によりルール変更をしたという公式発表があったわけでありません。

 

 

JALとの比較

 

JALの早期割引にはウルトラ先得があり、これはANAの旅割75とほぼ同じ料金で販売されています。

 

ウルトラ先得をキャンセルした場合も旅割と同様に払戻手数料と取消手数料がかかります。 したがって、先払いした運賃から払戻手数料と取消手数料を引かれた金額が払い戻されることになります。

 

・ウルトラ先得 払戻手数料  航空券1枚(1区間)につき430円。

・ウルトラ先得 取消手数料 取り消し日にかかわらず運賃の約50%相当額

 

旅行や帰省で飛行機を利用する旅客は往復航空券を購入することが多いでしょうから、JALの払戻手数料はANAの二倍かかることになります。 さらに取消手数料は航空券を購入した瞬間からフライト直前まで、約50%かかることになります。

 

この点でも、55日前まで取消手数料を無料化したANAの旅割に軍配あがりそうですね。 逆にJALのメリットをあげるとすれば、人気のある日程の航空券がANAよりも確保しやすいことでしょうか。

 

JALについては詳しくはこちらをご覧下さい 。航空券の取消/払戻手数料について(国内線) - JAL国内線

 

最後に

 

企業を訴えるという行為はなかなか日本では難しいことだと思います。 しかし、今回のケースは訴えることによって消費者利益に繋がった良い例であるように感じました。

 

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